注意が必要なサプリメント第2弾です。
1999年〜2010年の米国全国健康・栄養調査（National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES）による結果で、成人データ3万899人分を対象に、過去30日間のサプリ摂取、食事およびサプリメントからの栄養摂取と死亡リスク（全死亡、心血管疾患、がん）との関連について検討した前向きな研究結果です。

中央値で6.1年の追跡期間中に、死亡は3,613例が認められ、そのうち心血管疾患死亡が945例、がん死亡が805例でした。
そのなかで『カルシウム』について、食事に比べサプリからの過剰摂取によりがん死亡が上昇しており、カルシウム・サプリ非摂取群と比べた相対リスクが53％上昇することが示されました。

一日800mgを超えると、心血管死亡も増えることが分かってきました。
一日の摂取量（食品とサプリを合わせて）が1000mg(牛乳4本相当)を超えると死亡危険度が上がります。
意図的に多く食べる、サプリを多く飲むのは効果がないどころかかえって危険です。

出典：Chen F et al., Association Among Dietary Supplement Use, Nutrient Intake, and Mortality Among U.S. Adults: A Cohort Study. Ann Intern Med. 2019 Apr 9. doi: 10.7326/M18-2478.

出典：Fan Chen, et al., Association Among Dietary Supplement Use, Nutrient Intake, and Mortality Among U.S. Adults A Cohort Study　 Ann Intern Med. 2019 604;613

＜ブログ記事の監修者＞

北宅弘太郎（KOUTARO KITAYA）

医療法人倖生会　桂駅前 Mihara Clinic　院長
専門医：生殖医療専門医・産婦人科専門医