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女性の妊活~体を温めたほうがよい?それとも冷やしたほうがよい?【Part 3】

2025.09.01

妊活検査薬を持つ女性

前回(Part 2)の続きです。妊娠を目指す女性においては、環境温度を低めに保つのが望ましいという研究を紹介しました。
他にも信頼性の高いと考えられる研究の多くが、高温環境と早産・死産の関係性を報告しています。(温度1℃上昇当たり1.05倍、熱波の期間中に1.16倍のリスク増加)

地球温暖化が叫ばれており、我が国の平均気温も年間を通して上昇傾向です。
それではどのようにこの問題に対策すればよいのでしょう?

 

熱波
・熱波を避ける
2003年のパリの熱波の時には、妊婦全体の17.5%に羊水過少症が(その前年は4.4%)見られたそうです。米国からも同様の報告があります。
気になるのは、男児は女児に比べて熱波の影響を受けやすく、流産率が高かったという国内からの報告の存在です。これは、同様の研究が他にもあり、気温の高い日は、できるだけ屋外での活動を控えるのが望ましいといえるでしょう。

 

<用語解説>
・羊水過少症(ようすいかしょうしょう)
羊水過少とは、妊娠中に子宮内の羊水の量が通常よりも少ない状態のことです。羊水過少となると、胎児の発育不全、臍帯圧迫(臍帯が圧迫され、胎児への酸素供給が不足する)、骨格異常等、様々な問題が生じる可能性があります。

 

エアコン
・換気、扇風機/エアコンディショニング
環境温度を低めに保つことが、大事との記載があります。
室温の設定が肝要でしょう。
懐炉やこたつ、コートなどの衣類も含めた身体を温めることによる局所温度の研究はほとんどなく、これらの影響は不明です。

 
 

水分補給
・水分の持ち運び
いくつかの報告には、水分の重要性が書かれています。
母体の脱水が危険因子と考えられています。

以上、ご参考までに。

 

 

 

出典:Chersich MF, et al. Associations between high temperatures in pregnancy and risk of preterm birth, low birth weight, and stillbirths: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2020; 371 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m3811

 

<ブログ記事の監修者>

北宅弘太郎(KOTARO KITAYA)

医療法人倖生会 桂駅前 Mihara Clinic 院長
専門医:生殖医療専門医・産婦人科専門医